断水したときの携帯トイレとバケツでのトイレの流し方

断水したらトイレをどう流すか、何回分あればいいか

断水は、地震のときだけでなく水道工事でも起こります。マンションのお知らせに、汲み置きした水を流せば良いとだけ書いてあると、どう流せばよいのか迷ってしまいます。実際に、同じような戸惑いは2011年から2024年まで繰り返し投稿されています。ところが、流してよいときといけないときを分けて説明しているページは、あまり見かけません。

断水に気づいたら、水洗トイレをすぐに試すのではなく、まず携帯トイレを使いましょう。排水管が壊れているかどうかが分からないうちに水を流すと、汚水があふれたり、下の階に漏れたりする心配があるからです。配管が無事だと分かってから、メーカーの案内にある水の量でバケツから流します。携帯トイレは、1人1日5回を目安に、まず3日分、できれば7日分をそろえておくと安心です。

まず、流していいかどうかを見極める

排水管が壊れていると、水を流したときに汚水があふれたり、下の階に漏れたりすることがあります。神奈川県のサイトには、排水管の損傷に気づかずにトイレを使うと下の階で汚水があふれる恐れがあると書かれています。LIXILも、排水管が壊れている場合に水洗トイレを使うと汚水があふれたり逆流したりする危険があるとして、水を流さないよう案内しています。配管が無事だと確かめられるまでは、携帯トイレで用を足しましょう。

配管が無事だと分かったら、バケツで流す

配管が無事だと分かったら、バケツの水で流します。水の量はメーカーによって少し違うので、迷ったときは取扱説明書かメーカーのサポートページで確かめましょう。

Yahoo!知恵袋には、こんな質問も投稿されています。

マンションが1日断水、トイレはどう流す?

2022年8月に投稿された質問です。

「断水時のトイレの流し方について教えてください。マンションが1日断水になります。断水時刻からしばらくしてすぐに出勤なのであまり気にしていなかったのですが、通勤に時間がかかるため出勤直前に用を足してから出ています。マンションのお知らせには汲み置きした水を流せば良いと書いてあったのですが、小ならどれくらい…?一気に流すのか少しずつ流すのか…もしくはトイレのタンクにすでにたまっている水で1回くらいなら断水時でも流れるのでしょうか?」
投稿日:2022/8/22 21:25
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12266831857

LIXILとTOTOの案内は、どちらも同じ流れです。まずバケツ1杯(LIXILは5〜6リットル、TOTOは6〜8リットル程度)を便器の中に一気に流し込みます。次に3〜4リットルをゆっくり足して、水面をもとに戻します。2〜3回に一度は多めの水(LIXILはバケツ2杯程度、TOTOは10〜12リットル)を流します。水は、タンクではなく便器の中に直接注ぎます。

便器とタンク、どちらに水を注ぐか迷った場合

「お風呂の水を使うつもりですが、便器の中orレバーのついてるタンクの中、どちらに水を注げばいいのでしょうか?ちなみにトイレは様式で、便座の中に水を注いでもなかなか流れませんでした。」
投稿日:2011/3/12 21:17
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1157489921

LIXILの案内は、便器の中に直接バケツの水を流し込む方法です。手洗いつきのタンクに水を入れて洗浄することは勧められていません。

何回分そろえておくか

携帯トイレの必要な枚数は、「家族の人数×1日5回×日数」で計算できます。当てはめると、下の表のようになります。

家族の人数 3日分 7日分
1人 15回 35回
2人 30回 70回
4人 60回 140回

出典:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定版・3日分の目標)・神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」(可能であれば7日分)。回数は1人1日5回で計算。

内閣府のガイドラインには「携帯トイレの備蓄目標数は、何日間分備蓄するかを決めます。まずは、3日分を目標にしましょう」と書かれています。神奈川県のサイトには「最低3日分、可能であれば7日分を備蓄しましょう」とあります。

何日分そろえるか迷った場合

こんな声もあります。

「災害用の簡易トイレって何日分用意したら安心でしょうか??現在2人暮らしで南海トラフや富士山噴火に影響を受ける地域に住んでいます。」
投稿日:2024/9/8 22:36
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10303748870

この方は2人暮らしで300回分を用意したと書いています。表の2人・7日分(70回)と比べると、4倍以上です。まず7日分を目安にそろえ、足りるか心配な分は箱ごと足す、と決めておくと迷いません。

3日分では足りなかった熊本地震の例

令和8年熊本地震(2026年7月28日発生)では、4県15自治体で最大およそ10万8千戸が断水しました。地域によって数日で戻ったところと、8月15日時点でも2万7千戸あまりで断水が続いたところがあります。内閣府がまず目標とする3日分では、これらの地域では足りなかったことになります。7日分を超える分は、100回分の箱を1箱足すごとに、4人家族なら5日分ずつ増えます(4人×5回×5日=100回)。

断水が続くと、トイレに行きにくいために水分を控えてしまう人がいます。神奈川県のサイトには、排泄を我慢すると水分や食事を控えることにつながり、体調を崩す恐れがあると書かれています。備えを多めにしておくと安心です。

断水に備えて、家族で決めておくこと

断水になったら、まず携帯トイレを使い、配管が無事だと分かってからバケツで流すという順番を、家族で確認しておくと心強いです。在宅避難のときの備えについては、避難所に持ち込んだ備蓄は取り上げられるのかにもまとめてあります。

何回分そろえるか迷ったら、日本製の非常用トイレ マイレット 100回分のような箱を、人数分の目安で選ぶ方法もあります。1箱はB5サイズ(約W240×D170×H180mm)、重さは約2.4キロで、凝固剤や排便袋、外袋が入り、製造から約10年間保存できます。1人1日5回で計算すると、100回分は4人家族で5日分の目安です。4人家族で7日分(140回)なら2箱、2人暮らしなら1箱で10日分(2人×5回=1日10回)そろえられます。価格は1箱16,500円(税込・2026年9月6日時点)、2箱セットなら31,900円です。2箱を横に並べると約24×34センチ、高さは約18センチになります。重さは2箱で約4.8キロです。玄関やトイレの近くなど取り出しやすい場所に置いておきましょう。浸水の心配がある住まいでは、耐水設計の超耐水トイレ処理セット 100回分を選ぶ方法もあります(価格は1箱16,500円・税込・2026年9月6日時点)。箱の選び方で迷ったら、お問い合わせからも相談できます。


更新日:2026-09-06

著者:日本防災士機構認定 防災士(上地)

運営:シーノン株式会社

この記事の根拠

ブログに戻る